日本機械工具工業会賞「技術功績賞」2件及び「環境大賞」受賞

令和六年度 日本機械工具工業会賞『技術功績賞』2件及び『環境大賞』を受賞致しました。

ステンレス鋼旋削用材種AH6200シリーズの開発

新規性

ステンレス鋼は熱伝導率が低く、工具の刃先温度が上がりやすいため、クレータ摩耗が拡大して刃先強度が低下すると、刃先の塑性変形が急激に進行する。
これに加えて、オーステナイト系ステンレス鋼では、加工硬化に伴う境界損傷や欠損が原因で工具寿命が不安定になりやすい傾向がある。
AH6200シリーズは、従来材種から耐摩耗性と耐境界損傷性、耐欠損性を改善することで、工具寿命の延長と汎用性の向上を目的として開発した。
AH6200シリーズでは、耐熱性に優れる厚膜Tiリッチコーティングがクレータ摩耗を抑制し、特徴的な2つの耐摩耗層によって従来弱点であった境界損傷を克服、さらに高次元の耐摩耗性と耐欠損性を両立した高硬度Tiリッチナノ積層を組み合わせることで、工具性能とともに汎用性が大幅に向上した。

内径溝入れ工具ADDInternalCutの開発

新規性

継ぎ手やシャフトと小径軸物部品などの内径溝入れ加工は、1,2コーナーの刃先交換式工具を使用する事が主流である。
近年、経済性の向上を期待して4コーナー仕様の刃先交換式工具が登場しているが、加工中に刃先が動くことによる加工精度不良やインサート欠損時に取付け不良が発生するなど、クランプ性能に関する問題が発生している。
この問題を解決する為、クランプ性能を改善した4コーナー小内径溝入れ工具の開発を行った。
本開発品は、優れた位置決め精度と切削力を受け止め刃先の動きを抑制するクランプ機構により、クランプ性能を向上させた。
また、このクランプ機構は切れ刃が欠損した際にインサートの取付けが可能で、全てのコーナーを使用できることから、経済性にも優れている。

環境大賞

環境賞は、日本機械工具工業会環境賞表彰規程に基づき、会員企業からの調査票を基に評価・選考し、授与する制度です。環境大賞は、調査票の得点が最高点の会員企業に付与されます。
ここ数年徐々に点数が上がってきており、ついに同点一位に到達しました。特に、改善活動関係の得点は3割以上も上がっています。
弊社の省エネ活動など、地球温暖化防止を中心とした継続的な環境への取り組みが、大きな成果として表れています。