みなさん、旋盤加工において内部給油と聞くと、どのような印象をお持ちですか?
「外部給油と比べて何がいいの?」「ホースや工具の着脱が面倒なのでは?」など疑問点が沸き上がり、一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
本記事は、内部給油のメリットやホース接続のいらない工具、またその機械仕様や接続方法など詳しくご説明します。
内部給油の2つのメリット
まずは、外部給油と比べた内部給油のメリットについて確認しましょう。
①寿命が延びる
加工部分にピンポイントで切削油を供給することができるため、切削時に発生する熱が効率的に分散し、インサートの損傷が抑制されることで、長寿命化を実現します。一般的な外径旋削加工だけでなく、特に溝入れ、突切り加工で大きな威力を発揮します。
②難削材でも切りくず処理性を向上
内部給油は、切削油を刃先に直接供給できます。そのため切りくず処理の難しい難削材でも、切りくず処理性を大幅に向上することが可能です。
通常圧でも効果は十分
内部給油は高圧でこそ意味がある、といった声を聞くこともあると思います。
確かに、切削油を高圧で供給した場合は効果が出やすく、より高能率化を促進できます。一方で、高圧クーラントを利用する場合は、別途高圧ポンプ、専用配管の導入が必要で、時間もコストもかかることは言うまでもありません。
機械に付属しているポンプによる通常圧での内部給油でも、前述のように加工点へ直接切削油を供給できるというメリットは大きく、十分に効果が期待できます。
2つの内部給油方法
内部給油を行うには2つの方法があります。
①ホース接続
刃物台と内部給油仕様の工具をホースでつなぐ方法で、一般的に機械的な制約が少なく、NC旋盤や自動盤どちらの場合でも、大きな改造※1を施さずに使用することができます。
※1 詳細は各工作機械メーカーへお問い合わせください。
メリット | 機械を選ばず導入できる |
デメリット | 工具交換時に都度ホースを外さなければならない |
②ダイレクト(配管レス)接続
刃物台から直接工具へ切削油を供給する方法です。
メリット | ホース着脱の手間を軽減できる |
工具周りにホースがないので、切りくずのホース巻き込みが起きにくい | |
デメリット | ダイレクト(配管レス)接続ができる機械が限定される |
特定メーカーの自動盤、または PSCインターフェース、VDI仕様に対応した機械※2が必要 |
※2 別途アダプターが必要です。
このように、内部給油を行うには2つの方法があります。
『TungTurnJet(タング・ターン・ジェット)』はどちらの方法にも対応できる
タンガロイでは、溝入れ、内径・外径加工、ねじ切り用ホルダや自動盤にも使用可能な内部給油機構を備えた工具群 『TungTurnJet(タング・ターン・ジェット)』をご用意しています。
高圧クーラントにも対応可能なホース接続
『TungTurnJet(タング・ターン・ジェット)』は、ホース接続であっても高圧クーラント(最大14MPa)に耐えられる機構を備えています。また外付けの高圧ポンプを使用することで、切りくず処理性の向上や長寿命化を実現できます。
更に工具交換の手間を軽減する内部給油対応のNC旋盤用ブレードタイプホルダと自動盤用ヘッド交換式ホルダも一部ご用意しています。
モジュール式溝入れ工具システム『TungModularSystem(タング・モジュラー・システム)』
モジュール式溝入れ工具システム『TungModularSystem(タング・モジュラー・システム)』は、ブレードの入れ替えだけで種々の溝入れ加工に対応できるシリーズです。
一体型ホルダよりも工具交換が容易で、機械停止時間の低減や工具費削減を実現できます。 また、ダイレクト(配管レス)接続に対応したシャンクも設定しています。
★対応シリーズ★
>>>TungModularSystem(タング・モジュラー・システム)の動画はこちらから。
>>>TetraForceCut(テトラ・ホース・カット)の動画はこちらから。
自動盤用ヘッド交換式ホルダ
自動盤用のヘッド交換式ホルダも、シャンクを刃物台に固定したまま、ヘッドを入れ替えるだけで工具交換が簡単にできます。
ダイレクト接続に対応したシャンクも設定していますが、ホース接続でも都度ホース着脱の必要なく機械停止の低減、生産性向上が見込めます。
★対応シリーズ★
>>>J-series(ジェイシリーズ)の動画はこちらから。
手間なしダイレクト(配管レス)接続
『TungTurnJet(タング・ターン・ジェット)』には、以下のようなシリーズでダイレクト(配管レス)接続をご用意しています。
また、ダイレクト(配管レス)接続の機構のない機械を利用している方でも、VDI対応の機械をお持ちであれば、アダプターを介してダイレクト接続対応の工具をお使いいただけます。
>>>TungTurn-Jet (タング・ターン・ジェット)の動画はこちらから。
ここまでで、内部給油のメリットや対応機械などが理解できたと思います。
続いては実際の接続方法について見てみましょう。
接続方法
接続の仕方や方法は機械により異なりますので、ここでは一例をご紹介します。
*工具側への接続方法詳細は下記表でご確認ください。
※ホース接続で内部給油をする場合は、別途配管部品が必要になります。
不明な点がある場合は、弊社までお気軽にお問い合わせください。
ホース接続とダイレクト(配管レス)接続どちらにも対応可能で、幅広いラインナップが魅力の『TungTurnJet(タング・ターン・ジェット)』を是非一度お試しください。