Vol.13

大型機械部品や製缶物の高能率加工にも最適!中心刃付き多機能カッタ『DoMultiRec』

取材協力
株式会社垣内

平川 浩志

タンガロイ営業担当

中山 健一Kenichi Nakayama

出身
佐賀県
社歴
入社1983年 社歴39年
趣味など
読書・釣り

“1つの工具で多様な加工が行えること”が求められる大物機械部品、製缶物加工

高知県に本社を構える株式会社垣内は、設計から加工、組み立てまでを一貫して手掛ける産業用機械メーカである。複合機やNC5面加工機、横中ぐり盤、CNC竪旋盤など、多種の工作機械を保有し、大物機械部品や製缶物加工を得意としている。

このような加工では、単品ものの加工を扱うことが多く、ドリル加工や肩削り、ポケット加工など多様な加工を1つの工具で対応できるような使い勝手の良い工具が重宝される。

そんな株式会社垣内に、中心刃付き多機能カッタ『DoMultiRec』をご紹介したのは、2022年の2月ごろのことである。

主力で使用していた他社多機能カッタが廃盤に

元々、他社品の多機能カッタを使用されていたが、廃盤がきっかけで後継機を探していらっしゃったタイミングであった。

既に他社メーカの類似品のテスト加工も行っていたが、下記のような課題が存在した

  • ドリル加工時の切りくず排出が悪く、カッタボディが破損した
  • 円弧形状の鋳肌面に穴あけ加工をする工程で使用。喰い付き時に中心刃にチッピングや欠けが発生しやすいため、インサート交換によるチョコ停の発生やオペレーターが手動送りで様子を見ながら加工をする必要があった
    円弧面形状の鋳肌面への加工イメージ
    ※円弧面形状の鋳肌面への加工では、喰い付き時にインサートが欠けやすい
  • この穴は座繰り用途に使うためシール性が求められるが、加工底面がフラットにならずシール性が悪かった
  • 加工を成り立たせるためには、従来よりも低い条件に設定する必要があり、能率が低下した

といった課題があり、その後の進め方に悩んでいらっしゃったのだ。

加工能率と精度を同時に叶えるDoMultiRec

多機能カッタ『DoMultiRec』は、穴あけから肩削りまで一本で対応できる高い汎用性と、欠けに強い刃先設計、また限りなく平面に近い穴底加工のできる切れ刃配置をした中心刃付きカッタである。株式会社垣内での課題を一度に解消できる製品であると考え、提案してみることにしたのである。

最初は条件を落とした状態でトライしていただいたが、インサートのもちが非常に良かったため、すぐに条件をあげ加工を再開。狙った加工を高い能率で行えることが分かったため、すぐに導入してくださることになった。

今回の改善ポイント

  1. 中心刃が欠けづらくなり、インサートの交換頻度が激減した

    欠けに強い刃先設計が功を奏し、円弧面形状の鋳肌面加工での喰い付き時でも中心刃が欠けず安定した加工が可能となった。突発的な欠損がなく安定して加工を行えるため、無人でプログラムを走らせての加工ができるようになった。人が張り付く必要がないので、現場の作業性改善に繋がった。

  2. 高能率加工が可能となった

    ドリル加工時の切りくず排出がよく、また工具剛性も高いため、安定した加工が可能となった。高い条件での加工が可能で、能率があがった。

  3. 座繰り加工での穴底精度が抜群

    限りなく平面に近い穴底加工ができるようになったことで、シール性が向上した。

    DoMultirec 座繰り加工での穴底精度比較

今後の取り組み

今では保有機械のほぼすべてに『DoMultiRec』を採用していただいており、お客様の加工に弊社製品が貢献できていることが何よりも嬉しい。主力径であるø32mmのカッタのご要望もいただいているので、開発チームと連携して進めていければと考えている。

株式会社垣内では、今後「加工時間短縮とインサート寿命延長を目指すために内部給油式の工具を増やす施策」を推し進めていくようだ。

顕在化している課題はもちろん、お客様との対話を通じて新たな改善点を見つけ、共に解決につなげていく。そこに弊社の工具が役だった瞬間は何にも代えがたい喜びである。

今後もタンガロイの一営業担当として、期待以上の成果を出せるよう邁進していきたい。

今回ご紹介した製品はこちら

DoMultiRec
Mill Line
中心刃付き多機能カッタ

DoMultiRec (ドゥ・マルチ・レック)

最高の汎用性を持つ 中心刃付きオールラウンドカッタ

製品詳細はこちら

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