株式会社タンガロイ(社長:木下聡、本社:福島県いわき市好間工業団地11-1)は、溝入れ・倣い加工用の刃先交換式工具『TungCut』に、3Dブレーカを搭載したSTR型インサートを追加し、2025年4月14日より全国で発売を開始します。

加工課題やマーケットの状況
焼入れ鋼を使用したベアリングやロール、金型部品の仕上げ倣い加工では、CBNインサートが一般的に用いられています。しかし従来のCBNインサートはチップブレーカがないため、切りくず処理に課題を抱えるユーザーが多くいます。
特にフルR形状のインサートで行う倣い加工では切りくずが長くなりやすく、工具やワークへの絡みつきによるチョコ停や加工面の品質低下、さらにはインサートの突発欠損といったトラブルが発生することもあります。こうした課題に対応する製品が求められています。
製品概要
TungCutは、溝入れ・突切り加工に特化した高性能工具です。新材種選択システムにより幅広い加工領域に対応し、多機能シリーズで工具の集約を実現。
優れたインサートクランプ剛性と高剛性ホルダ形状により、安定した寿命と精度を提供します。さらに、独自のブレーカ形状で切りくず処理性を向上させ、びびりを抑制。独自のインサートクランプ仕様で経済的かつ高剛性を誇り、さまざまな加工環境で優れたパフォーマンスを発揮します。

製品の特長と便益
特長1:倣い加工に最適な3Dチップブレーカ設計
・切りくずの流れを制御するために、チップブレーカ壁の配置を最適化
・様々な切削方向に対応し、安定した切りくず処理が可能
・ブレーカに設けた溝により切削油の供給量を増加し、切れ刃を効率的に冷却して摩耗を抑制

特長2:高耐摩耗性CBN材種「BXA10」による長寿命化
・焼入れ鋼加工に適したCBN材種「BXA10」を採用
・優れた耐摩耗性により、工具寿命が延び、段取り回数や工具交換頻度を削減
・安定した切削性能を長時間維持し、高精度加工を実現

切削性能
切りくず処理性の改善
チップブレーカ付きのSTRタイプインサートは、チップブレーカのないインサートと比べて、より安定した切りくず処理が可能です。
切りくず処理を改善することで、加工の信頼性を大幅に向上させることができます。
成功事例
生産性と工具寿命の向上
従来、ロールの外径倣い形加工にはセラミックインサートが使用されていた。しかし、セラミックインサートにはチップブレーカがないため、切りくず処理が不安定であった。チップブレーカ付きのCTRタイプのインサートに切り替えることで、切りくず処理性が大幅に改善された。
その結果、切削速度を2倍以上上げても、TungCut STRタイプのCBNインサートは4倍以上の工具寿命を達成した。加工効率と工具寿命の大幅な改善につながった。
産業 | 一般機械部品 |
加工部品 | ロール |
ISOコード | H – 高硬度材 |
被削材 | SKD11/1.2379 |
被削材硬度 | 62~64HRC |
工作機械 | CNC旋盤 |
加工分類 | 旋削 |
加工形態 | 外径溝入れ・旋盤加工 |
製品名 | TungCut |
TSR No. | 5209T |

生産性と信頼性の向上
従来のインサートは、チップブレーカ がなく、切りくず処理が不安定であった。
3次元チップブレーカ を持つSタイプのインサートに変更することで、切りくず排出が安定し、加工の信頼性が向上した。
その結果、加工の信頼性と生産性が向上し、加工能率が1.8倍に向上した。
産業 | 一般機械部品 |
加工部品 | クラッシュ・カッティング・ナイフ |
ISOコード | H – 高硬度材 |
被削材 | 100Cr6 |
被削材硬度 | 61HRC |
工作機械 | 専用機 |
加工分類 | 旋削 |
加工形態 | 外径溝入れ・旋盤加工 |
製品名 | TungCut |
TSR No. | 5210T |
