鋳鉄高速加工用ソリッドCBN SBN30を発売

株式会社タンガロイ(社長:木下聡、本社:福島県いわき市好間工業団地 11-1)は、鋳鉄高速加工用ソリッド CBN 工具『SBN30』を新たに開発し、優れた耐摩耗性と高切削速度を 実現するフルソリッド CBN インサートを、2025年6月30日より全国で発売を開始します。

加工課題やマーケットの状況

自動車部品の量産現場では、生産性向上を目的とした鋳鉄部品の高速加工ニーズが高まっ ています。特にブレーキディスクやフライホイール、鋳鉄ギヤケースなどの加工では、従来の超硬またはセラミック工具では耐久性や切削速度に限界があり、加工効率の向上が難しいという課題があります。また、ろう付け CBN 工具では高速加工時にろう付け部の剥がれが発生することもあり、信頼性の面で懸念が残ります。こうした背景から、より高い耐久性と信頼性を持つ工具が求められています。

製品概要

SBN30は、鋳鉄加工に最適化されたCBN粒径と専用バインダーで構成されたCBN材種で、高い耐摩耗性と耐熱性を兼ね備えています。

製品の特長と便益

特長 1:高速・高能率加工を実現するソリッド CBN 材種

・SBN30 は、セラミックや超硬工具、また従来のCBNがロウ付けされたCBNインサートと比較して、より高い切削速度での加工が可能
・高温環境下でも優れた耐摩耗性を発揮し、鋳鉄の高速加工に最適
・加工時間の短縮と生産性の向上に貢献

特長 2:深切込みに対応するフル CBN 構造

・インサート全体が CBN で構成されており、ろう付けタイプに比べて強度や耐熱性が高い
・深切込み加工や高負荷条件でも安定した性能を発揮 ・加工の自由度が高まり、工程短縮や複雑形状への対応が可能

特長 3:コストパフォーマンスに優れる多コーナ仕様

・ろう付け CBN 工具に比べ、使用可能なコーナ数が多い設計
・1 コーナあたりの工具費を低減し、トータルコストの削減に寄与

切削性能

K - 鋳鉄
ホルダ TSKNL2525M1204-F
インサート S-SNUN12041HU6
被削材 FC200
切削速度 Vc = 900 m/min
送り f = 0.4 mm/rev
切込み ap = 0.5 mm
加工形態 端面連続加工
切削油 湿式
K - 鋳鉄
カッタ TGN4205R-A (ø125 mm, z = 8)
インサート S-SNUN12041HU6
被削材 FC300
切削速度 Vc = 1,500 m/min
刃当り送り fz = 0.1 mm/t
切込み ap = 1 mm
切削幅 ae = 80 mm
加工形態 正面フライス加工
切削油 乾式

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