株式会社タンガロイ(社長:木下聡、本社:福島県いわき市好間工業団地11-1)は、高能率ヘッド交換式エンドミル『TungMeister』に、最新材種AH715を採用した新たなヘッド形状を追加し、2025年2月3日より全国で発売を開始します。
加工課題やマーケットの状況
自動車産業や建機、一般機械加工、さらには発電機部品を扱う分野では、日々の量産加工において高い効率と安定性が求められています。特に、ソリッドエンドミルを使用しているユーザーにとって、工具寿命の延長は重要な課題です。工具の摩耗や交換の頻度が高いと、生産性が低下し、コスト負担が増加するため、耐久性の向上が市場全体から強く要望されています。
また、従来のエンドミル製品では、Z軸方向に複数パスを用いて壁面を加工する際に、パス間のつなぎ目に段差が発生することがありました。この問題は、加工面の仕上がりや精度に大きな影響を与え、後工程で追加の修正作業を必要とする原因となります。このような課題を解決し、より高品質で効率的な加工を実現することが、多くの現場で待ち望まれています。
製品概要
TungMeisterは、タンガロイの高能率ヘッド交換式エンドミルシリーズです。45種類以上のヘッド形状を選べる柔軟性と、ヘッド径φ5mmからφ32mmまでの幅広いサイズ展開が特徴です。シャンクも超硬やタングステンなどの高性能材料を使用し、様々な加工ニーズに対応可能で、高い生産性を実現します。
製品の特長と便益
特長2:優れた工具寿命を実現する「トリプルNanoテクノロジー」コーティング
・AH715は、Nano積層膜を融合した「トリプルNanoテクノロジー」コーティングを採用。
・各種被削材の加工において、既存材種や競合材種に比べて優れた工具寿命を提供。
・長寿命により、工具交換頻度を削減し、コスト削減と生産性向上に貢献。
特長3:加工面品位の向上
・新たに拡充されたVEH型スクエアヘッドは、切れ刃後端にRを付与した設計。
・Z軸方向のパス間をスムーズにつなぎ、つなぎ目の段差を低減。
・これにより、加工面の品位が向上し、高精度な仕上がりを実現
切削性能
寿命比較: S55C
シャンク | VSSD16L100S10-S |
ヘッド | VED160L12.0R05-04S10 AH715 |
被削材 | S55C / C55 |
切削速度 / 刃当たり送り | Vc = 150 m/min, fz = 0.12 mm/t |
切込み / 切削幅 | ap = 5 mm, ae = 1.5 mm |
クーラント | ドライ |
成功事例
工具寿命の改善
VEHヘッドの優れた防振設計と高剛性φ25シャンクにより、広い切削幅(ae)を可能にし、パス回数を減らしてサイクルタイムを改善します。
産業 | 自動車 |
加工部品 | ラック |
ISOコード | P – 鋼 |
被削材 | SCM440/42CrMo4 |
工作機械(スピンドルタイプ) | 中型縦型マシニングセンタ(#40、HSK63) |
加工分類 | 転削加工 |
加工形態 | 肩削り加工 |
製品名 | TungMeister |
TSR No. | 5108M |
生産性と工具寿命の向上
TungMeisterの耐溶着性に優れるAH715材種により、刃先への溶着を抑制し、2倍の工具寿命を実現した。
産業 | 一般機械部品 |
加工部品 | ベースプレート |
ISOコード | M – ステンレス |
被削材 | SUS430 |
工作機械(スピンドルタイプ) | 中型縦型マシニングセンタ(#40, HSK63) |
加工分類 | 転削加工 |
加工形態 | 面取り加工 |
製品名 | TungMeister |
TSR No. | 5109M |