ステンレス鋼加工用新CVD材種T6225拡充

株式会社タンガロイ(社長:木下聡、本社:福島県いわき市好間工業団地11-1)は、ステンレス鋼旋削加工用CVD材種『T6200&AH6200シリーズ』に、高耐摩耗性と耐欠損性を兼ね備えた新材種『T6225』を追加し、2025年12月1日より全国で発売を開始します。

加工課題やマーケットの状況

ステンレス鋼の旋削加工では、工具に高い耐摩耗性と安定した寿命が求められます。特に一般機械加工や自動車産業といった分野では、シャフトやロッド、ピストン、バルブなど耐久性が求められる部品が多く、効率的かつ安定した加工が重要とされています。従来の材種AH6225では、他社製品に対して耐摩耗性で劣るケースもあり、より高性能な材種の開発が市場から強く求められていました。こうした背景から、新たなCVD材種T6225の開発と適用拡大が期待されています。

製品概要

T6200 & AH6200シリーズは、ステンレス鋼の旋削加工に特化した高性能インサートです。優れた耐摩耗性と熱安定性を備え、連続加工から断続加工まで幅広く対応。長寿命と高信頼性で、生産性向上に貢献します。

製品の特長と便益

特長1:優れた耐摩耗性と耐欠損性を両立した高汎用性材種
– 新材種T6225は、耐摩耗性と耐欠損性のバランスに優れ、幅広い加工条件に対応可能
– M25領域に最適化されており、T6215(高耐摩耗)とAH6225(高耐欠損)の中間性能を実現
– M20〜M30の広範囲なステンレス鋼加工領域をカバーし、工具選定の自由度が向上

特長2:新開発の高密着性Al₂O₃被膜による信頼性向上
– Al₂O₃被膜の密着性を高めることで、チッピングや被膜剥離のリスクを大幅に低減
– 被膜の厚みを従来比1.3倍に強化し、工具寿命を延長
– 高硬度外層により、逃げ面摩耗にも強く、安定した加工品質を維持

特長3:新ステンレス鋼加工用シリーズとしての完成度
– T6200シリーズ(T6215・T6225)とAH6200シリーズ(AH6225・AH6235)の4材種構成により、用途や加工条件に応じた最適選定が可能
– ISO規格に基づく51アイテムの拡充で、さまざまな加工ニーズに対応
– シリーズ全体で高い加工安定性と長寿命を実現し、トータルコスト削減に貢献

切削性能

インサート CNMG1204**
切削速度 Vc = 150 m/min
送り f = 0.3 mm/rev
切込み ap = 2 mm
加工形態 連続加工
切削油 湿式

T6225はオーステナイト系ステンレス鋼加工において
優れた耐摩耗性と耐塑性変形性を発揮