材料費高騰時代における最適な突切り加工
自動盤での突切り加工は、小物部品の製造において欠かせない工程ですが、材料費の高騰によりコスト負担が大きな問題となっています。この状況に対し、タンガロイは薄幅インサートの導入を提案しています。薄幅インサートを使用することで、材料の無駄を大幅に削減し、コストの低減に貢献します。本記事では、タンガロイの薄幅インサートによる効果的な突切り加工の方法と、その具体的なメリットについて詳しく解説します。
突切り加工の現状と課題
突切り加工は、自動盤で小物部品を製造する際に必須の工程です。この工程では、材料を切り離すために突切り幅分の材料が切りくずとなり、無駄になります。特に材料費が高騰している現在、この無駄は大きなコスト負担となっています。
材料費高騰の影響
材料費の高騰は、製造業全体に大きな影響を与えています。特に自動盤加工を行う企業にとって、材料費の上昇は製造コストの増加を意味し、利益率を圧迫する要因となります。このため、いかに材料費を削減するかが重要な課題となっています。
市場でよく使われている突切りインサート幅
弊社調べによる突切り加工のマーケットデータによると、突切り加工の85%がインサート幅2mm以上です。この2mm以上の幅に対し、2mm幅以下の突切りインサートへと切り替える事で素材費削減が行える機会も多いのではないでしょうか?
薄幅インサート使用に対する懸念
薄幅インサートは、材料費削減の有効な手段であることが認識されていますが、以下の懸念が存在します:
押圧によるインサート折損やホルダ変形:自動盤加工では、バー材供給時に突切りインサート側面に材料を突き当てて長さを決めることがあります。この押圧により、薄幅インサートが折れる、またはホルダが変形するのではないかという懸念があります。
切りくず処理の悪化:薄幅インサートはブレーカの無い砥ぎ込みブレーカ式が多く、切りくず処理の悪化が懸念されます。
薄幅インサートのメリット
材料費削減効果
薄幅インサートの最も大きなメリットは、材料費の削減です。突切り幅が狭いほど、無駄になる材料が少なくなります。例えば、突切り幅が2mmのインサートを1.2mm幅の薄幅インサートに変更することで、材料の使用量を約40%削減できます。これにより、材料費が大幅に削減され、製造コストの低減が実現します。
加工精度と品質の向上
薄幅インサートを使用することで、加工精度と品質の向上も期待できます。幅が狭いインサートは、切断時の抵抗が少なくなり、加工面の仕上がりが良くなります。これにより、製品の品質が向上し、歩留まり率の向上によりコストを削減することができます。
タンガロイの解決策
DuoJustCutとTungCutの紹介
タンガロイは、突切り加工の効率を最大化するために、DuoJustCutおよびTungCutの薄幅インサートを提供しています。これらのインサートは、幅0.6mmから1.2mmまでのラインナップがあり、特に材料費削減に効果的です。
DuoJustCut:最小幅0.6mmのインサートを提供し、精密な突切り加工が可能です。3次元ブレーカ設計により、優れた切りくず処理性能を発揮します。
TungCut:幅1.2mmのインサートで、強度と精度のバランスが取れています。高い安定性と長寿命を実現し、コストパフォーマンスに優れています。
インサートとホルダの設計対策
薄幅インサート使用時の懸念である押圧によるインサート折損やホルダ変形に対して、タンガロイは以下の設計対策を施しています:
強化構造:インサートとホルダの接触部を強化し、押圧に対する耐性を向上させています。これにより、自動盤加工でのバー材突き当て時にも安心して使用できます。
ホルダ設計の最適化:ホルダの剛性を高める設計により、変形リスクを最小限に抑えています。
切りくず処理改善の技術
薄幅インサートに対する切りくず処理の懸念に対し、タンガロイは以下の技術を導入しています
3次元ブレーカ設計:最小幅0.6mmのインサートにも適用され、良好な切りくず処理を実現。これにより、薄幅インサートでも安定した加工が可能です。
お客様での活用事例
■スリーブピンガイドにおける成功事例
スリーブピンガイドの突切りで、2mm幅のインサートを使用していました。 タンガロイは、この工程にTungCutの1.2mm幅インサートを使用することを提案した。 TungCutのインサートは従来品よりも薄いにもかかわらず、ホルダーの剛性が高く安定した突切りを実現し、工具寿命を1.5倍に延ばしました。 さらに、インサート幅を小さくしたことで、バー材の年間使用量が減少し、年間1,000万円の材料費削減につながった。
■シャフトにおける成功事例
シャフトの突切りに、お客様は2mm幅のインサートを使用していました。 タンガロイは、この工程にDuoJustCutの1.5mm幅インサートを使用することを提案した。 DuoJustCutはインサート剛性が高く、薄幅でありながら安定した突切りを実現し、工具寿命も1.3倍に延びた。 さらに、インサート幅を小さくしたことで、バー材の年間使用量が減少し、年間100万円の材料費節約につながった。
まとめ
DuoJustCutとTungCutを使用することで、以下のメリットが得られます:
材料費削減:突切り幅を減少させることで、材料の無駄を削減し、コストを大幅に削減。
高品質な加工:薄幅インサートの使用により、切りくず処理が改善され、加工精度が向上。
耐久性と信頼性:強化されたインサートとホルダ設計により、安心して使用可能。
さらに、今回の提案内容の改善効果を簡単に試算できるツールを準備しています。ぜひ、以下のリンクからシミュレーションを行い、具体的なコスト削減効果を確認してください。