高送り加工における加工面品位の改善方法

高送り加工は、生産性の向上と製造コストの削減に大きく貢献しますが、加工面の品質を保持することも同様に重要です。この記事では、高送り加工における加工面品位を改善するための実践的なアプローチについて紹介します。

本記事のポイント
  • 加工面品位の改善方法

加工面品位の重要性

高送り加工では、加工速度が速いために加工面に微細な不具合が生じやすくなります。これには、表面の粗さ、バリ、または不均一な加工痕が含まれる場合があります。これらの問題を最小限に抑えることで、製品の性能と外観が向上し、最終的な製品品質が保証されます。

加工面品位を改善する方法

1. 最適な切削条件の選定: 切削速度と送り率のバランスと送り率のバランスを見つけることが重要です。適切な条件下で加工することで、表面品質が向上します。
切削液の使用: 適切な切削液を使用することで、加工面の冷却と潤滑を助け、表面品質を改善します。また、切削液は工具の寿命を延ばす効果もあります。

  • 振動の抑制: 機械の安定性を確認し、不必要な振動を避けることで、加工面の品質を向上させます。工具ホルダーとクランプの選択も振動を抑制し、加工精度を高めるために重要です。

 

適切な切削工具の選択

高送り加工でワークの側面に不規則な傷が見られる場合や、切りくずがつぶれている場合には、切りくず排出量に対してポケットの容量が小さいことが理由となっている可能性が高いです。小径タイプの高送り工具では小さなインサートを使用しているため、切りくず排出ポケットが小さくなりがちです。この場合、切込み量apを下げることで改善する可能性があります。ポケット容量を改善するDoTwistBallが有効です。DoTwistBall特殊なインサート形状により刃数を減らすことなくポケット容量を確保しています。

DoTwistBallを使用した例

DoTwistBallを使用した例では、同径・同刃数の工具で切込みapを2倍に設定し、加工面品位を改善し、さらに加工時間を約半分にすることができました。このように、切りくず排出性の高い工具を使用することで、加工効率と品質の両方を向上させることが可能です。

まとめ

高送り加工における加工面品位の改善は、最適な切削条件の選定や振動の抑制によって達成されます。これらの要素に注意を払うことで、加工効率を維持しつつ、製品の品質を最大化することができます。また、切りくず排出性の高いDoTwistBallが有効な場合もありますのでご検討いただければ幸いです。