株式会社タンガロイ(社長:木下聡、本社:福島県いわき市好間工業団地11-1)は、高精度アルミニウム部品加工用の高能率肩削りカッタ『TungForce-Rec』に、PCDインサートを新たに追加し、2025年12月15日より全国で発売を開始します。これにより、小径領域でも安定した高精度切削とBT30マシニングセンタでの高効率加工を実現します。

加工課題やマーケットの状況
自動車や半導体などの分野では、アルミニウム部品の高精度かつ高能率な加工ニーズが一層高まっています。しかし、特にBT30マシニングセンタを使用する現場では、主軸回転数が最大10,000rpmと制約があり、これ以上の切削速度向上が難しいのが現状です。そのため、加工能率を上げるためには刃数を増やして送り速度を高めるしかなく、工具構造の工夫が求められています。従来、40mm以下のエンドミルタイプでPCDインサートを搭載可能なカッタとしてTungRec11がありましたが、同径他社品と刃数が同等のため、より高能率な提案が難しいという課題がありました。
製品概要
TungForce-Recは、タンガロイが開発した高精度・高能率な直角肩削りカッタです。独自のV字底面インサートと高剛性ボディ設計により、小径でも安定した切削を実現。肩削りや溝加工など幅広い用途で優れた加工精度と生産性を発揮します。

製品の特長と便益
特長2:高耐摩耗性と優れた切れ味を両立するPCD材種DX160
・高含有PCD材種DX160を採用し、他社超微粒PCD材種に比べて耐摩耗性が向上。
・シャープな切れ刃形状により、軽快な切削と低抵抗加工を実現。
・切削時のバリ発生を抑制し、後工程の負担を軽減。


特長3:高品位な加工面の実現
・1刃当たりの切削抵抗が低く、安定した切削状態を維持。
・工具振動を抑制し、仕上げ面の粗さを低減。
・アルミニウムや非鉄金属の高精度仕上げ加工において、優れた表面品質を提供。
切削性能
加工精度の比較


| カッタ | EPAV12M025C25.0R04 (DC = 25 mm, CICT = 4) |
| インサート | AVGW120404PDFR-D DX160 |
| 被削材 | ADC12 |
| 切削速度 | Vc = 1,000 m/min |
| 刃当り送り | fz = 0.1 mm/t |
| 切込み | ap = 1 mm |
| 切削幅 | ae = 20 mm |
| 切削油 | 湿式(内部給油) |
加工面品位に優れる。
切削抵抗の比較


| カッタ | EPAV12M025C25.0R04 (DC = 25 mm, CICT = 1) |
| インサート | AVGW120404PDFR-D DX160 |
| 被削材 | ADC12 |
| 切削速度 | Vc = 1,000 m/min |
| 刃当り送り | fz = 0.1 mm/t |
| 切込み | ap = 2 mm |
| 切削幅 | ae = 2.5 mm |
| 切削油 | 湿式(内部給油) |
従来品および他社品よりも低抵抗な加工が可能。
突出しが長くビビり易い加工に有利。
