株式会社タンガロイ（社長：木下聡、本社：福島県いわき市好間工業団地11-1）は、高硬度材加工用小径エンドミルシリーズ『SolidMeister』に、新材種AH3005を採用したモデルを加え、工具径0.3～6.0 mmの幅広いラインナップを強化。さらに、高能率加工を実現する6枚刃スクエアエンドミルを新たに追加し、2025年1月27日より全国で発売を開始します。
加工課題やマーケットの状況
金型加工や高硬度鋼の加工現場では、工具寿命や加工効率に関する課題が多く見られます。特に高硬度鋼の加工では、工具の摩耗が激しく、1本のエンドミルで形状加工を完了できないケースが頻発しています。また、従来の小径エンドミルのラインナップでは対応できない加工があり、さらなる選択肢が求められていました。さらに、仕上げ加工時には4枚刃のエンドミルを使用しても加工能率が十分に向上せず、生産性を維持することが難しい状況も見受けられます。こうした課題を解決するために、より高性能かつ多様なニーズに応えるエンドミルの開発が市場で強く求められています。
製品概要
SolidMeisterは、金型加工や航空機部品、タービンブレードなど、高精度が求められる分野に最適な超高性能エンドミルです。鋼や耐熱鋼、チタン合金などの難削材にも対応し、最新技術を駆使した設計で加工時間の短縮と生産性向上を実現します。
製品の特長と便益
特長1：新材種AH3005による高硬度材対応
・65 HRCまでの高硬度材に対応可能な新材種AH3005を採用。
・硬度の高い母材と専用コーティングの組み合わせにより、工具寿命が大幅に向上。
・安定した加工性能を提供し、加工コストの削減を実現。
特長2：小径ラインナップの拡充
・工具径0.3 mmから6.0 mmまでの幅広いラインナップを実現。
・ボールエンドミルやスクエアエンドミルなど、175アイテムを追加し、多様な加工ニーズに対応。
・微細加工から仕上げ加工まで、様々な用途で高い汎用性を発揮。
特長3：6枚刃スクエアエンドミルの高能率加工
・工具径φ3-6 mmに対応する6枚刃スクエアエンドミルを新たに拡充。
・切れ刃数の増加により、加工効率が向上し、加工時間を短縮。
・高能率加工と長寿命を両立し、生産性を大幅に向上。
切削性能
工具寿命比較
| エンドミル | TEB030A2-040/08C6H-55 (ø3 mm, z = 2) |
| 被削材 | SKD61 / X40CrMoV5-1 (50 HRC) |
| 切削速度 | Vc = 41 m/min |
| 1刃当たりの送り | fz = 0.028 mm/t |
| 切込み | ap = 0.2 mm |
| 切削幅 | ae = 1 mm |
| クーラント | Wet (外部給油) |
AH3005は、焼入れ鋼に対して優れた耐摩耗性を提供しました。
