株式会社タンガロイ(社長:木下聡、本社:福島県いわき市好間工業団地11-1)は、刃先交換式ドリルツール『DrillMeister(ドリルマイスター)』用のドリルヘッドDMMに、ステンレス鋼や難削材の加工に適した直径17~19.9mmの新サイズを追加し、2025年11月10日より全国で発売を開始します。

加工課題やマーケットの状況
発電機部品や熱交換器、流体バルブや継ぎ手といった分野では、耐食性に優れたステンレス鋼や難削材の使用が一般的です。しかし、これらの素材は加工が難しく、工具寿命が短くなりやすいため、刃具費の増加や生産性の低下が課題となってきました。特に切りくず処理が困難で、ステップ加工による切りくず排出が必要な場面も多く、加工能率や工具の安定性に影響を与えていました。こうした背景から、より高性能なドリルヘッドのニーズが高まっています。
製品概要
AddMeisterDrill / DrillMeisterは、ヘッド交換式の高性能ドリルです。多彩なドリルヘッドを同一ボディに装着でき、加工精度・工具寿命・作業効率を大幅に向上。ø4〜ø25.9mmまで対応し、幅広い穴あけ加工に最適です。

製品の特長と便益
特長1:優れた切りくず処理性能と安定加工
・独自のギャッシュ形状により、切りくずが伸びやすいステンレス鋼や難削材でも切りくずを効率的に排出
・広いシンニングポケットが切りくず生成時の切れ刃負荷を低減し、加工時の振動や負荷を抑制
・ステップ加工なしでも安定した穴あけ加工が可能で、工程の簡素化と加工時間の短縮に貢献
特長2:高い耐摩耗性と長寿命
・ドリル専用材種AH9130を採用し、難削材加工における高温・高負荷環境下でも優れた耐摩耗性を発揮
・刃先の摩耗を抑えることで、工具交換頻度を低減し、トータルコストの削減に寄与
・長寿命化により、連続加工や自動化ラインでの信頼性が向上
特長3:ラインアップの拡充による対応力の向上
・新たに17mm~19.9mmのドリルヘッド径を追加し、より幅広い加工ニーズに対応
・既存のDrillMeisterボディに追加工なしで装着可能なため、工具在庫の最適化と段取り時間の短縮が可能
・柔軟な径選択により、加工精度と生産性の両立を実現
成功事例
工具寿命と生産性の向上
加工部品は熱交換器の構成部品であるチューブシート。
素材が高硬度ステンレス鋼だったため、工具寿命の短さが大きな課題となっていた。
ステンレス用途に特化した新開発のDMMヘッドを提案。
切削条件を微調整した結果、従来のセットアップよりも20%高い生産性で加工を行うことができた。
その結果、従来工具と比較して1.8倍の穴数を達成した。
| 産業 | 熱交換器 |
| 加工部品 | チューブシート |
| ISOコード | |
| 被削材 | 二相ステンレス鋼 |
| 被削材硬度 | 30 HRC |
| 工作機械 | 大型縦型マシニングセンタ(#50、HSK100) |
| 加工分類 | 穴あけ |
| 加工形態 | 貫通穴 |
| 製品名 | DrillMeister |
| TSR No. | 5436H |

