株式会社タンガロイ(社長:木下聡、本社:福島県いわき市好間工業団地11-1)は、高能率加工用刃先交換式カッタ『DoFeedTri』に、ステンレス鋼加工に最適化された新材種・低抵抗ブレーカ・多様なカッタボディを追加し、2025年9月16日より全国で発売を開始します。

加工課題やマーケットの状況
一般機械加工において、ステンレス鋼の加工は依然として高い難易度を伴う工程です。特にブロック材からの削り出しでは、工具にかかる負荷が大きく、摩耗や工具寿命の短さが課題となっています。従来のDoFeedTriシリーズでは、選択できる材種やブレーカの種類が限られていたため、加工条件の多様化や高能率・長寿命化へのニーズに十分応えられない場面がありました。こうした背景から、さらなる性能向上と対応力の拡充が求められています。
製品概要
製品の特長と便益
特長1:ステンレス鋼加工に最適化された材種とブレーカ設計および低抵抗ブレーカ
– 新たに拡充されたAH130材種とステンレス鋼専用ブレーカの採用により、ステンレス鋼加工において優れた耐摩耗性と耐欠損性を発揮
– 低抵抗ブレーカは切削抵抗を低減
– 逆ポジ逃げ面形状により切れ刃強度が向上し、インサートの欠損リスクを抑制
特長2:高い加工安定性と経済性を両立するインサート設計
– 両面仕様6コーナインサートにより、1枚あたりの使用可能刃数を最大化しコスト効率を向上
– 切込み角12°の設計により、切削抵抗が工具軸方向に集中し、びびりの発生を抑制
– 広い内刃設計により、ø16サイズでランピング角3度を実現し、傾斜加工にも対応可能
特長3:多様な加工ニーズに応えるカッタボディのラインアップ拡充
– アンダーシャンク仕様、モジュラーカッタ、ボアカッタの径バリエーションを拡大
– 多様な工作機械や加工条件に柔軟に対応可能
– 工具選定の自由度が高まり、生産現場での最適化が容易に
切削性能
工具寿命の比較

カッタ | EXWX03M020C20.0R03 (ø20 mm, CICT = 3) |
インサート | WXMU0303ZER-MS AH130 |
切削速度 | Vc = 100 m/min |
刃当り送り | fz = 0.6 mm/t |
切込み | ap = 0.6 mm |
切削幅 | ae = 11.5 mm |
切削油 | 湿式 |
使用機械 | 立形 M/C, BT40 |
成功事例
切りくずのかみ込み無し
従来品では軟鋼の加工時に、壁面への切りくずのかみ込みが発生していた。ML ブレーカは優れた切りくず処理と排出性により、切りくずのかみ込みの無い安定した加工を実現した。
産業 | 一般機械部品 |
加工部品 | 機械部品 |
ISOコード | P – 鋼 |
被削材 | SS400 |
工作機械 | 中型縦型マシニングセンタ(#40、HSK63) |
加工分類 | 転削加工 |
加工形態 | 肩削り加工 |
製品名 | DoFeedTri |
TSR No. | 5384M |

工具寿命の向上
ステンレス鋼加工用MS インサートは、1.75 倍の工具寿命を達成した。
産業 | 一般機械部品 |
加工部品 | 機械部品 |
ISOコード | M – ステンレス |
被削材 | SUS316 |
工作機械 | 中型縦型マシニングセンタ(#40、HSK63) |
加工分類 | 転削加工 |
加工形態 | 平面加工 |
製品名 | DoFeedTri |
TSR No. | 5385M |
