焼結合金加工用の新CBN材種BX4015発売

株式会社タンガロイ(社長:木下聡、本社:福島県いわき市好間工業団地11-1)は、焼結合金加工用の新CBN材種『BX4015』を開発し、2025年9月1日より全国で発売を開始します。
高含有率CBNと微粒子技術、特殊結合材の採用により、断続切削時の安定性と工具寿命を大幅に向上させた高性能CBNインサートです。

加工課題やマーケットの状況

自動車のパワートレインおよび電動化用途向けの粉末冶金(PM)部品の量産では、断続切削に起因するチッピングや破損が頻発します。これらは工具寿命のばらつきや面品位の低下を招きます。さらに、焼結材の特性がロットごとに異なる場合、切削条件の最適化が難しく、生産効率やコストに悪影響を及ぼします。
現場では、シャープな切れ刃による低抵抗な切削と、刃先欠けを防ぐための靭性・耐摩耗性の両立が強く求められています。高い工具寿命と安定した加工性能を確保しつつ、コストパフォーマンスを最大化することが重要です。

製品概要

BX4015は、焼結合金加工向けに設計されたCBN材種です。

仕上げ〜軽切削に適し、安定したバリ抑制と面品位を実現します。

外径・端面の連続/断続加工で扱いやすく、シャープエッジでの加工にも対応します。

豊富なインサート形状により、量産の安定化に貢献します。

製品の特長と便益

特長1:高含有CBNグレードによる高い耐摩耗性

  • 高硬度結合剤により摩耗の進展を抑制。
  • 長時間の連続加工や高硬度材の加工でも長寿命を実現。
  • 焼結合金などの難加工材でも安定した加工性能を発揮。

 

特長2:特殊結合剤による高い耐欠損性

    • CBN粒子と結合剤界面の強度を高める特殊結合剤を採用。
    • 急激なチッピングや破損を抑制し、加工信頼性を向上。
    • 高負荷条件下でも安定した切削性能を維持し、トラブルリスクを低減。

特長3:微粒CBNによる刃先強化と面粗さの向上

      • 微粒CBNの採用により、よりシャープで安定した刃先を実現。
      • バリやチッピングの発生を低減し、加工面品位を向上。
      • 仕上げ加工でも滑らかで高精度な切削を達成。

切削性能

インサート CNGA120408F
切削速度 Vc = 300 m/min
送り f = 0.1 mm/rev
切込み量 ap = 0.2 mm
加工 断続端面旋削
クーラント 湿式

BX4015は一貫した耐欠損性を示しました。

成功事例

工具寿命の向上

BX4015は優れたチッピング耐性を示し、良好な面品位を確保するとともに、工具寿命を1.5倍に延長しました。

業種 自動車
部品 スプロケット
材料ISOコード H - Hardened material H – 焼入れ鋼
被削材 鉄系焼結合金
工作機械(主軸タイプ) CNC旋盤
工具ファミリ 旋削
工具カテゴリー 内径ボーリング
製品名 BX4015
TSR No. 5355T

工具寿命の向上

刃先の安定性に優れ、BX4015は断続部品でのバリ発生を解消し、工具寿命を1.6倍に延長しました。

業種 自動車
部品 スプロケット
材料ISOコード H - Hardened material H – 焼入れ鋼
被削材 鉄系焼結合金
工作機械(主軸タイプ) CNC旋盤
工具ファミリ 旋削
工具カテゴリー 内径・端面旋削
製品名 BX4015
TSR No. 5356T

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