耐摩耗性に優れるDX160材種に3次元ブレーカ付きインサートを拡充

株式会社タンガロイ(社長:木下聡、本社:福島県いわき市好間工業団地11-1)は、旋削非鉄金属加工用シリーズの刃先交換式工具に、耐摩耗性に優れた材種DX160に3次元ブレーカ「NSブレーカ」付きISOインサート19形番を追加し、2024年12月23日より全国で発売を開始します。

加工課題やマーケットの状況

近年、自動車や精密機械産業では、アルミ合金や銅などの非鉄金属加工がますます重要になっています。特に、自動車部品のオイルポンプカバーやピストン、精密機器のカメラレンズケースなど、軽量化や高い精度が求められる部品の加工が増加しています。しかし、非鉄金属は加工中に切りくずがワークに巻き付きやすく、加工面の品質に影響を与えることが課題となっています。また、工具の摩耗による頻繁な交換や加工不良の発生も、生産性やコスト効率の観点から大きな課題です。

こうした市場のニーズに応えるため、DX160材種は耐摩耗性と刃立ち性に優れ、長寿命で安定した加工を実現します。さらに、3次元ブレーカ付きインサートにより切りくず処理が向上し、作業の自動化が容易に。これにより、加工面の傷や不良率を低減し、高品質な加工面を安定して得られるため、ユーザーの生産効率と品質向上に貢献します。

製品概要

タンガロイの「非鉄金属加工シリーズ」は、非鉄金属の旋削加工に特化して設計されたインサートの総合ラインアップです。このシリーズには、PCD材質(DX110、DX160、DX200)と超硬材質(KS05F、TH10)が含まれており、加工要件に応じて最適な材質を選択することができます。また、PCDインサートと超硬インサートの両方には、それぞれの用途に最適化されたチップブレーカーデザインが採用されています。特に、切りくず処理が困難なアルミニウム合金に対しては、3Dチップブレーカーがその課題を効果的に解決します。

これらのインサートは、自動車、航空宇宙、半導体製造といった幅広い産業での使用に適しており、高速かつ深切削の加工にも対応します。生産性の向上やコスト削減に大きく貢献します。特に、DX200のようなPCD材質は優れた耐摩耗性を発揮し、加工が困難な材料を処理する場合でも卓越した性能を提供します。

製品の特長と便益

特長1:DX160の耐摩耗性と加工適応性

・DX160は高含有ダイヤモンド材種であり、耐摩耗性に優れています。これにより、工具寿命が延び、生産コストの削減が期待できます。
・粗粒ダイヤモンド組織により、非鉄合金(アルミや銅など)といった幅広い加工材に対応可能です。
・シャープな刃先設計により、他社の超微粒ダイヤモンド材種と比較して刃立ち性が長く維持され、非鉄合金の加工において高品質な仕上面を実現します。

特長2:NSブレーカの切りくず処理性能

・独自設計の3次元ブレーカにより、幅広い切込み領域で良好な切りくず処理を可能にします。これにより、加工の安定性が向上します。
・荒加工から仕上げ加工まで、1つのインサートで対応可能なため、工具交換の手間を削減し、生産効率を向上させます。
・大きなすくい角と小切り込み領域にも対応するチップブレーカ形状により、切りくずを効果的に誘導し、加工中の切りくず処理トラブルを最小限に抑えます。

切削性能

A5056での切りくず処理

インサート 1QP-DCGT11T304-NS
ホルダ SDJCL2525M11
被削材 A5056
切削速度 Vc = 1,000 m/min
送り f = 0.1 mm/rev
切込み ap = 0.5 mm
アプリケーション 外径旋削、連続切削
クーラント Wet

A6061での切りくず処理

インサート 1QP-VCGT160402-NS
ホルダ SVJCR2525M16
被削材 A6061 / AlMg1SiCu
切削速度 Vc = 500 m/min
送り f = 0.08 mm/rev
切込み ap = 0.5 mm
アプリケーション 外径旋削、連続切削
クーラント Wet

成功事例

切りくず処理の改善

NSチップブレーカによる切りくず処理性能により、他社のチップブレーカ無しのPCDインサートでは発生していた切りくずの絡みが解消された。

産業 一般機械部品
加工部品 パイプ
ISOコード N – 非鉄金属
工作機械(スピンドルタイプ) CNC旋盤
加工分類 旋削
加工形態 外径旋削
製品名 DX160
TSR No. 5093T

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