旋削ねじ切りの加工方法

加工に必要な項目

旋削ねじ切りの加工には下記2つのステップが必要です。

 

Step1:工具選定

工具選定の方法はこちらからご確認ください

 

Step2:切削条件の決定

【ねじ加工前に決める必要のある切削条件】

1:切削速度(回転数)

2:送り

3:切込み方法

4:総切込み量、パス回数、1パス毎の切込み量

1.切削速度(回転数)の決め方

Step1:工具の確認
・工具選定した工具シリーズと、インサート材種を確認
Step2:被削材種類の確認

・加工する被削材種類(ISOコード)の確認

Step3:切削条件表から適用する切削速度を決定

・使用する工具シリーズ切削条件表を確認
・推奨条件表から、インサート材種」「被削材種類をキーに推奨される切削速度を確認
※回転数が必要な場合は、切削速度と加工径から回転数を計算

(例)

ねじ仕様:M20X2
被削材:S55C
使用ホルダ:CER2020K16T
使用インサート:16ERAG60 AH725

Step1:工具の確認

インサート型番:16ERAG60 AH725  →「工具シリーズ:TungThread(ST型)」「インサート材種:AH725」

Step2:被削材種類の確認

被削材:S55C  →「被削材種類:P」

Step3:切削条件表から適用する切削速度を決定

・工具シリーズ:TungThread(ST型) → TungThreadの切削条件表
インサート材種:AH725」「被削材種類:Pをキーに推奨される切削速度を確認

✔ 推奨切削速度 Vc=80-180m/minだと分かる。ここではVc=100m/minを採用

2.送りの決め方

Step1:ねじ仕様の確認

ピッチ条数を確認

Step2:リード(送り)を計算

・ピッチと条数からリードを計算

加工時に適用する送りはねじのリードになります。例えばピッチが1mmの1条ねじのリードは、リード=ピッチ=1mmになります。

送りF(mm/rev) =「リード」=「ピッチ」X「条数」

※リードの詳細はこちら

(例)

ねじ仕様:M20X2
被削材:S55C
使用ホルダ:CER2020K16T
使用インサート:16ERAG60 AH725

Step1:ねじ仕様の確認

・ねじ仕様:M20X2 → ピッチ:2mm, ねじの条数:1条

Step2:リード(送り)を計算

送りF = [ピッチ:2mm] X [条数:1条] = 2(mm/rev)

✔ 送りF = 2mm/revと決まる

3.切込み方法の決め方

下記記載の4つが代表的な切込み方法です。用途や要望に応じて切込み方法を選択ください。
最も一般的な切込み方法は「ラジアルインフィード」です。

代表的な切込み方法

4.総切込み量、パス回数、1パス毎の切込み量の決め方

Step1:ねじ仕様の確認

ねじの形状/規格とを確認

Step2:「総切込み量」と推奨「パス回数」「1パス毎の切込み量」を確認

・ねじの形状/規格から対象の”切込みパス回数表”を確認

「総切込み量」「パス回数」「1パス毎の切込み量」を確認

 

例) ISO(メートル)ねじの切込みパス回数表

(例)

ねじ仕様:M20X2
被削材:S55C
使用ホルダ:CER2020K16T
使用インサート:16ERAG60 AH725

Step1:ねじ仕様の確認

・ねじ仕様:M20X2 → ねじの形状/規格:ISO(メートル)ねじ

Step2:「総切込み量」と推奨「パス回数」「1パス毎の切込み量」を確認

・ISO(メートル)ねじの”切込みパス回数表”を確認

・表中から「総切込み量」「パス回数」「1パス毎の切込み量」を確認

表から、

✔ 総切込み量=1.37mm, パス回数=8回, 1パス毎の切込み量(表を参照)が分かる

まとめ

Step2:切削条件の決定

【ねじ加工前に決める必要のある切削条件】

1:切削速度(回転数) → 切削条件表からインサート材種と被削材種をキーに決定

2:送り → リードを計算

3:切込み方法 → 所望の方法を選択

4:総切込み量、パス回数、1パス毎の切込み量の決め方 → ねじ形状/規格から切込みパス回数表を確認

(例)

ねじ仕様:M20X2
被削材:S55C
使用ホルダ:CER2020K16T
使用インサート:16ERAG60 AH725

Step2:切削条件の決定

【ねじ加工前に決める必要のある切削条件】

1:切削速度(回転数)  → 「Vc=100m/min」

2:送り →「F=2mm/rev」

3:切込み方法 → 「フランクインフィード」

4:総切込み量、パス回数、1パス毎の切込み量の決め方 → 「ISO(メートルねじ)表各種数値を確認」

✔ 各種条件を加工プログラムに反映